低フォスファターゼ症|4歳までに乳歯が抜けたら、もしかして!

B!

こんにちは。ミミコです。

年に2~3回は、医療系の学会に参加しています。

最近参加した学会で、見逃されやすい疾患の一つである、低フォスファターゼ症について聞いてきました。

完治する訳ではないけど、お薬で症状が軽くなるのであれば、早めに見つけて治療したいですよね。

ママ
うちの子、まだ2才なのに前歯が抜けた…。
歯をぶつけたり、固いものを食べたりしてないのに。
低フォスファターゼ症では1歳~4歳という早い時期に歯が抜けることがあります。

ミミコ
この記事は、低ホスファターゼ症(HPP)について解説します。
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低フォスファターゼ症とは

強い骨をつくるためにはアルカリフォスファターゼ(ALP)という酵素が必要です。

HPPは、この酵素が働かない、または働きが悪くなるためにおこる病気です。

 

正常(ALPが働く)
HPP(ALPが働かない

低フォスファターゼ症の5つのタイプ

症状がでる時期やでる場所で、5つのタイプに分けられます。

1.周産期型
妊娠中や出産時にみつかる
2.乳児型
生後6ヶ月までに症状がでる
3.小児型
生後6ヶ月~18歳までに症状がでる
4.成人型
18歳以降に症状がでる
5.歯限局型
1~4歳までに乳歯が抜ける

どんな症状があるの?

6つの症状を記載しましたが、これらが全て出る訳ではありません。

人それぞれ、出る症状も程度も違います。

 

1.歯

普通は歯の根っこは溶けてなくなる
HPPは根っこが残る
●1歳~4歳までに乳歯が抜ける
●普通は歯の根っこは溶けてなくなる
●HPPでは歯の根っこが溶けずに長いまま抜ける
2.骨
●腕や太ももの骨が曲がる
●骨折しやすい。なかなか治らない
●骨が痛い
●ハイハイや歩く時期が遅れる
●身長が低い
3.頭
●頭や脳の症状は生後6ヶ月までによくみられる
●けいれん発作をおこす
●赤ちゃんの柔らかい頭の骨が早くに固くなる
●脳の発達よりも頭の骨の固くなるのが早いために、脳が圧迫される
4.筋肉・関節
●筋肉が弱くなる
●ハイハイや歩き始めるのが遅くなる
●車いすが必要なこともある
●筋肉が痛い
●関節が腫れたり固くなる
●関節が痛い
5.呼吸
●呼吸器の症状は生後6ヶ月までによくみられる
●肋骨の1本1本が細く弱い
●肺をつつむ胸郭が小さくなったり、変形する
●肺の動きが悪くなり、呼吸がしにくい
●肺炎になることもある
6.腎臓
●肝臓にカルシウムが貯まる
●血液にカルシウムが多くなる
●おしっこにもカルシウムが多くなる
●カルシウムが貯まることで、不機嫌や食欲低下、嘔吐がおこる

低フォスファターゼ症の原因は?

ALPを作るための遺伝子に変化がおこるために、ALPの働きがなくなったり、悪くなったりします。
血液検査でALP値を調べます
年齢と性別でALP値の正常範囲は異なります。
ALPの働きがなくなったり、悪くなっていたら、HPPと診断します。

治療は酵素補充療法

HPPはALP(アルカリフォスファターゼ)という酵素の働きが悪い病気なので、ALPを注射で補います

そうすることで、無機ピロリン酸をリン酸に分解し、カルシウムと結合することで、強い骨をつくることができます。

詳しいことは病院で説明を受けましょう。

低フォスファターゼ症の関連サイト

正しい情報を得て、理解することが大切です。

以下にリンクを貼りました。

 

ママ友とのおしゃべりで、歯が早くに抜けたことが話題にあがったら、教えてあげてね。
早期発見、早期治療につながります。

まとめ

    • HPPとは、強い骨をつくるためのALPという酵素が働かないためにおこる病気
    • 症状は歯、骨、頭、筋肉、関節、呼吸、腎臓などに表れる
    • 子どものHPPは、4歳までに乳歯が抜けることで気づくことができる
    • 治療は、酵素補充療法がある

     

    参考文献
    1)HPP  Frontier;メディカルビュー社, 2019
    2)低ホスファターゼ症診療ガイドライン;日本小児内分泌学会, http://jspe.umin.jp/medical/files/guide20190111.pdf
    3)新生児・乳児における低ホスファターゼ症(HPP)の診断と治療;アレクシオンファーマ合同会社, 2018
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