こんにちは。ミミコです。
吃音シリーズ3回目です。
幼児の吃音は20人に1人、と決してめずらしくはありません。
ですから、ママ達から吃音に対する質問をちょこちょこ受けます。
だから、子どもと吃音の話はしない方がいいのかな?
親だけじゃなくて、周囲の大人(学校の先生やママ友など)もそうです。
1.吃音がある子どもへの親の態度は?
いきなり結論です。
吃音がある話し方のままでいいとの態度を貫くことです。
そのためには、親が子どもの吃音を受け入れる必要があります。
後で解説しますが、吃音をタブー視して吃音の話題を避けると、吃音をネガティブに捉えるようになります。
このネガティブ感情が、「どもりたくない」「スラスラしゃべりたい」の緊張を生み、吃音を悪化させます。
ですから、ママ&パパの皆さん。
子どもとの会話は「つっかえちゃってもいいよ。もっと話を聞かせて~」ってな態度で、ワクワクしながら楽しんでくださいね!
そうすると子どもは吃音を気にせず、安心して話せます。
基本的にはこのようになります。
- 子どもの吃音を気にしない
- 吃音をオープンにし、親子で吃音の話をする
2.子どもの吃音を気にして、子どもにあれこれ言わないでおこう
お医者さんから「そのうち治ることが多いから気にしないでいいですよ」と言われることがあります。
この「気にしない」というのは、本当に気にせずにほっておく、ということではないんです。
簡単に言わないでよ~。
もうちょっとやさしくしてみたら?
3.吃音をオープンにし、親子で吃音の話をしよう
- 「指摘すると子どもがよけいにどもるのではないか」と考えて、子どもがどもっても、子どもの前で吃音を話題にしない」
- 本人や兄弟が「どうして言葉がつまるの?」という素朴な疑問を親に投げかけても、説明せずに話をはぐらかす
親も保育士さんも、このような対応をすることが多いのですが、この対応は吃音をネガティブに捉えることにつながる場合もあります。
子どもによっては、自分がどもっていることに気づいていて、悩んでいる場合もあります。吃音について一切話題にしないのは、吃音を人には言えないことと捉えて、一人で悩むことにつながります。
最近は、吃音をオープンにし、親子で吃音の話をすることが推奨されています。
具体的な例は以下にまとめました。◆
そして、
- どもってもいいので楽しくおしゃべりする
- どもりには注目せずに、話の内容に注目する
- あっけらかんと吃音について話題にする
このようなコミュニケーションを通して、子どもは
- 「どもってもいいんだ」
- 「ママは僕とお話しするのが楽しいんだ」
- 「どもるのは悪いことじゃないんだ」
- 「もっと話したい」
と思うようになります。
吃音は、出たり出なくなったりを繰り返します。ですから、ここに一喜一憂していては疲弊します。
それよりも子どもとの会話を楽しみましょう。
また、子どもが吃音について知りたがったら、吃音についての正確な情報をわかりやすく説明してあげましょう。
大切なのは、どもるのがいけないのではなく、どもるのを気にしてしゃべらなくなったり、自分に自信がなくなるのがいけない訳です。
吃音についての正しい知識は、以下にまとめました。
4.子どもとの会話で取り入れたい対応・避けたい対応
じゃあ、具体的にどうすればいいのかな?
- 子どもが話しているときは、子どもの顔をみる
- あいづちやうなずきをいれる
- 言い終わるまで待つ
- 周囲がゆったりと話して自然に真似をするように仕向ける
- 利き手が興味をもって楽しそうに話を聞く
- 子供が話し終わった後にオウム返しをする
- 吃音以外の良いところに目を向ける、褒める
子どもが話し終わった後にオウム返しをすると、子どもは自分の話した言葉が伝わったと安心します。
- 言葉を勝手におぎなう
- 「落ち着いて」「ゆっくり」などのアドバイスをする
- 言い直させる
子どもがどもってなかなか言葉がでない時に、つい大人が先に言ってしまうことがあります。これは避けたい対応とされていますが、場合によっては、子どもが発話努力から解放され、子どもに安堵をもたらします。
「落ち着いて」などのアドバイスは、意識的な発話努力を増すだけで無効と言われています。また、子どもは慌てているからどもる訳ではありません。
ママ友やじいちゃん・ばあちゃんに「家ではこんなことに気をつけている」と話題にするものいいですね。
まとめ|子どもがノビノビおしゃべりするためには
- 「どもってもいいんだ」と子どもが吃音を肯定する気持ちを持てる環境をつくる
- 親も子どもの吃音を受け入れ、「どもってもいいから楽しくおしゃべりしよう(ニッコリ)」の態度を貫く
- 吃音をタブー視せず、オープンに子どもと話す
- 吃音以外の子どもの良いところに目を向けて褒める
1)歴史的事実を踏まえた吃音の正しい理解と支援;菊池良和, 小児耳35(3):232-236, 2014
2)記憶・情動系の可塑性と吃音の治療;都筑澄夫, 音声言語医学43:344-349, 2002
3)吃音を意識した年齢に関する検討;菊池良和ほか, 音声言語医学56:321-325:2015
4)吃音患者への対応;森浩一, 日耳鼻:2015
5)子どもの吃音ママ応援BOOK;菊池良和, 学苑社, 2016
6)子どもがどもっていると感じたら;廣嶌忍, 大月書店, 2004